訪問看護ステーションでは1か月に1~2名の方のお看取りをさせていただいています。亡くなった後はその人それぞれの場面に立ち会うことが多く、それもまた在宅療養の良いところと感じることも少なくありません。
先日、在宅看取りをされたお家での一コマ。元々亡くなわれた方は職人さんでした。旅立つ衣装は?と考えたときに家族は「作業着」と思ったようですが、現役の時に来ていた作業着は処分してしまったと。息子さんが同じ職に就いており、ぶかぶかだけど現役の時の、家族にしてみたら一番見慣れた姿になったそうです。
故人の姿を親方がみたときに「現役時代」を思い出したのか泣いて喜んでくれたと後に家族より聞きました。亡くなっても周りの人の感情を揺さぶったり、いろいろな思いを馳せることができるとしみじみ感じました。 永沼 武